ポータブル電源 中国製メーカーの安全性は大丈夫か

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結論:製造国だけで安全性は判断できない。見るべきはリコール対応の実績と事業者の連絡先

「中国製のポータブル電源は危険なのでは」と不安に思うかもしれません。ただ、製造国だけで安全性は判断できません。経済産業省が公表したリコール事例を見ても、無名メーカーだけでなく広く知られた大手ブランドの製品も対象になっています。安全性を判断する基準にすべきは製造国ではなく、付属のACアダプターにPSEマークがあるか、リコール発表の有無と対応の速さ、販売事業者の連絡先が明確かの3点です。なお、交流(AC)を出力できるポータブル電源の本体は、電気用品安全法の対象外です(経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」 A.4)。

PSE認証マークとリコール情報を確認するイメージ
※画像はAIで生成したイメージです

「製造国」と「安全性」は直結しない

電気用品安全法(PSE制度)は、製品がどこで作られたかではなく、日本国内で販売するために必要な技術基準を満たしているかを問う制度です。海外で製造された製品であっても、製造・輸入の事業を届け出た事業者が技術基準への適合を確認し、PSEマークを表示します。販売する事業者は、PSEマークなどの表示がない電気用品を販売したり、販売の目的で陳列したりしてはならないとされています(法第27条。経済産業省「電気用品安全法の概要」、経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」 A.10)。

ただし、交流(AC)を出力できるポータブル電源の本体は、この法律の対象外です。経済産業省は「交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象」としています(経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」 A.4)。本体にPSEマークがなくても、それだけで違反にはなりません。一方、付属のACアダプター(直流電源装置)は「特定電気用品」にあたり、菱形のPSEマークが必要です(経済産業省「対象非対象解釈例一覧(電気用品別)」)。

つまり、製造が国内か海外かという点自体は、PSE制度上の合否を左右する要素ではありません。輸入事業者がこの義務を適切に果たしているかどうかが、安全性を左右する実質的な分かれ目です。

大手ブランドでもリコール事例はある

「聞いたことのある大手ブランドなら安心」とも言い切れません。経済産業省は近年、知名度の高いブランドを含む複数のリコールを公表しています。

発表時期 対象 台数の目安 事由
2025年10月 Ankerモバイルバッテリー(PowerCore 10000等) 約41万台 経済産業省がアンカー・ジャパンに報告要求
2026年2月 EcoFlow RIVER Pro/専用エクストラバッテリー 約5.7万台 セルの異常発熱による火災事故
2025年10月 EENOURポータブル電源(P5000PRO等) 一部ロット 発火事故の調査で品質基準未達が判明

(monoist「モバイルバッテリーでまたリコール、対象は41万台 経産省がアンカーに報告要求」、monoist「モバイルバッテリーの大規模リコールに行政指導も」)

これらの事例が示すのは、「無名メーカーだけが危ない」わけではないということです。リチウムイオン電池を搭載する製品である以上、ブランドの知名度にかかわらず品質管理上のリスクは存在します。購入前だけでなく購入後も、リコール情報を定期的に確認しておく必要があります。

NITEが公表する事故件数の実態

製品評価技術基盤機構(NITE)によれば、2021〜2025年の5年間でリチウムイオン電池搭載製品の事故として通知された件数は2,140件にのぼり、製品別ではモバイルバッテリーが最多です(NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」)。この統計はブランドや製造国別の内訳を示すものではなく、リチウムイオン電池という製品特性そのものに一定のリスクが伴うことを示すデータと捉えるべきです。

安全性を判断する3つの基準

製造国ではなく、以下の3点を確認することが客観的な判断につながります。

  1. 付属のACアダプターにPSEマークがあるか:ACアダプターには菱形のPSEマークの表示が必要です(本体のマークの有無とは別の話です)。確認方法はポータブル電源のPSE認証マークの確認方法を参照してください。
  2. リコール歴と対応の速さ:過去にリコールがあったこと自体より、発表後の対応(回収・交換の実施状況、連絡先の明確さ)を確認しましょう。詳しくはポータブル電源のリコール情報まとめを参照してください。
  3. 販売事業者の連絡先が明確か:経済産業省は、製品安全4法に関する事業者のうち、経済産業省から連絡が取れない事業者を「連絡不通事業者リスト」として公表しています(経済産業省「製品安全ガイド」)。日本国内に明確な問い合わせ窓口を持つ事業者かどうかも、有事の対応力を測る目安になります。

国内メーカー品も含めた安全性比較はポータブル電源おすすめ比較【PSE・安全性チェック付き】にまとめています。

製品例

主要メーカーのうち、長期保証・安全規格に配慮した製品例を紹介します。

まとめ

  • 製造国だけで安全性の優劣は判断できない
  • PSE制度は製造国ではなく、日本国内で販売するための技術基準適合を問う制度
  • 大手ブランドでも近年リコール事例があり、「知名度が高いから安心」とも言い切れない
  • 判断基準にすべきは「付属のACアダプターのPSEマーク」「リコール対応の実績」「販売事業者の連絡先の明確さ」の3点(AC出力のあるポータブル電源の本体は電気用品安全法の対象外)

よくある質問

中国製のポータブル電源は避けるべきですか?

製造国だけを理由に避ける必要はありません。判断の軸にすべきは製造国ではなく、リコール対応の実績や付属のACアダプターのPSEマークといった、客観的に確認できる基準です。

大手ブランドなら安全性は保証されますか?

保証にはなりません。経済産業省は近年、広く知られたブランドの製品についても複数のリコールを公表しています。ブランドの知名度にかかわらず、リコール情報は定期的に確認すべきです。

安全性を確認する具体的な方法はありますか?

付属のACアダプターにPSEマークがあるか(AC出力のある本体は法律の対象外)、過去にリコールがあった場合の対応状況、販売事業者の日本国内の連絡先が明確かどうかの3点を確認してください。詳しい確認方法は、PSE認証マークの確認方法とリコール情報をまとめた別の記事で解説しています。

参考・一次情報源

この記事を書いた人
ひで

運営者の「ひで」は、緊急時対応業務の実務に約10年従事しています。また宅地建物取引士として、不動産の実務経験もあります。記事は、この実務経験をふまえつつ、消防庁・内閣府防災・経済産業省・消費者庁などの公的機関が公表する一次情報と、メーカーの公表情報を確認したうえで書いています。

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